「不適切コンサルタント」問題

20年近く活動をしてきたAAIでも、対応が急務と考えている「不適切コンサルタント」問題。
NHKのクローズアップ現代+で、「不適切コンサルタント」に関する特集が放映されました。管理組合の利益に相反する悪質なコンサルタントが関与することによって、割高な費用、不正な工事などの大規模修繕工事が行なわれている模様が伝えられています。

2017年10月19日(木)放映
NHKのクローズアップ現代+
「追跡!マンション修繕工事の闇 狙われるあなたの積立金」

出典:NHK
コツコツためた、あなたの積立金が知らぬ間に奪われているかもしれない…分譲マンションで行われる大規模修繕工事。そのウラ側で悪質な設計コンサルタントが工事業者に巨額のバックマージンを要求、住民に損害を与えているケースがあるという。事態を重く見た国が注意喚起を行うなど、問題は広がりを見せている。マンション老朽化時代、修繕待ったなしの物件が急増する中、多くの人が被害に遭っている可能性も?対策を考える。

そもそも、なぜ大規模修繕工事にコンサルタントが必要なのでしょうか?

もともと、ほとんどすべての大規模修繕工事は、「マンション管理会社」に任せる責任施工方式で行っていました。
管理組合は施工業者が選べずマンション管理会社が選んだ業者を信用するしかありませんでしたが、良質なマンション管理会社であれば何の問題もなく、管理組合の手間は大幅に省ける上、工事後に瑕疵があった場合も安心の「アフター保証」が得られました。
しかし、管理会社が悪質だった場合、割高な費用、不適切な大規模修繕工事が行われても、専門家でない管理組合はそれに気づくことが難しいのが現状でした。
その後、管理組合が工事施工会社と直接契約する方式が主流になると、工事費用は安くなる反面、管理会社の業務を管理組合が担うことになって、組合員の負担が増加しました。また、悪質な施工業者によって、割高な費用や不適切な大規模修繕工事を行う事例がおきました。

このような問題を解決するために、昨今では設計コンサルタントを依頼する設計監理方式が多く選択されるようになっています。
設計監理方式は、第三者の設計コンサルタントが専門知識のない管理組合を支援し、住民にとってよりよい工事を提供するのを目的とし、コンサルタントはマンションの建物診断、住民へのヒアリングなどから必要と思われる修繕工事の設計を行います。
第三者の目が入ることにより不正が発生しにくく、複数の施工会社が設計に基づいて競争入札をすることで、ベストな施工会社の選定を可能にします。
しかし、昨今、この設計監理方式も「不適切コンサルタント」という問題が起こっています。

1.不適切なコンサルタントの手口とは?

国土交通省 担当者
「管理組合(住民)の利益と相互する立場に立つ設計コンサルタントが発注に関与することのないように、十分に意識をしていただく必要がある。」

「マンション老朽化時代」に入り、大規模修繕工事は急増。多くの人々が被害に遭っているおそれがあります。

番組では、管理組合の利益のために働く使命を忘れた不適切なコンサルタントが存在し、大切な積立金を搾取していると伝えています。
では、不適切なコンサルタントはどのような手口を使って、割高な費用、不正な工事などの大規模修繕工事を行っているのでしょうか?

元設計コンサルタント
「住民は知識がなく無知だから、そこが一番狙い目。」

元設計コンサルタント
「管理組合がいくら積立金を持っているか、当然握っております。その金額を使い切るほど、リベート(バックマージン)は増えますから、なるべく工事種目は増やします。お客さんは素人ばっかり。『これをやらなかったら大変ですよ』と言われたら、従うしか、一般の住民はないわけですね。

「不適切コンサルタント」の代表的な手口

【1】格安のコンサル料で管理組合(住民)と契約。
【2】入札で安い業者を選んだように見せかける。
【3】契約した業者からバックマージンをもらう。

元工事業者
「(コンサルから)電話がかかってくるんですよ。どこどこの2億円の現場が決まったからって、自分のところにやってもらうから。それを上手にして、(入札額を)2億円ちょいにしてくれとかね。(マージンの)パーセンテージを、先生なんぼにしたらよろしいですか言うたら、今回はちょっと金額大きいから、9パーセントにしようかとか。」

不適切コンサルタントは、格安のコンサル料を餌に、住民と契約します。その後、施工業者に見積もり依頼し、入札で安い業者を選んだように見せかけます。
その際、必要ない工事を増やすことによって工事費用が高くなるように操作し、条件をつけることによって入札に参加できる会社はコンサルタントと裏で手を組んだ業者のみになり、施工会社は持ち回りで決定されてしまいます。

番組では、管理組合の利益と相反するコンサルタントが発注に関与することによって、不当に修繕積立金が搾取されると伝えています。

2.マンション修繕業界の自浄努力も。

平成28年11月に、一般社団法人マンションリフォーム技術協会という改修技術者の団体が機関紙 martaのなかで、この問題を放置することによって管理組合に割高な工事費という実害を与え、業界全体が信頼を失うことになると訴えています。
業界内からの問題提起ということで、関係者のなかで話題になりました。

一般社団法人 マンションリフォーム技術協会 会報 marta 25 号(発行年月 2016年11月)
不適切コンサルタント問題への提言~マンション修繕業界の健全な発展のために~


週刊誌や新聞などで報道されたり、事態を重く見た国が注意喚起を行うなど、「不適切コンサルタントの問題」はだんだん周知されてきているようですが、管理組合の皆さまのお話を伺うとまだまだ一般には大きく広まっていないのが実感です。
番組でも触れられていますが、住民の方々には、修繕工事に関して無関心な方が少なからず存在します。

元設計コンサルタント
「住民は知識がなく無知だから、そこが一番狙い目。」

設計コンサルタント会社代表 須藤桂一さん
「一番の問題点は無関心ですよ。もう無関心じゃだめ。管理会社、設計事務所、工事会社がどこか。住民一人ひとりが、1世帯100万円ぐらい出すわけですからね。自分ちだと思って見てもらう。おかしいと思ったら声を出すというころをやらないと、そのまんま行っちゃいますよ。」。

一度自分の手から離れてしまった積立金は、「自分のお金」「自分の財産」という当事者意識が弱くなりがちです。
また管理組合の理事長、理事の方々は忙しい日々の合間をぬって手弁当で任に当たっておられるため、ちょっとおかしいなと思うことがあっても見過ごしがちになってしまいます。

次の工事が十数年先という大規模修繕工事の性格上、管理組合内でのノウハウの蓄積や、大規模修繕工事を経験した他のマンションからのノウハウの伝達も難しく、専門知識のない住民としては専門家にすべて任せてしまいたくなるでしょう。しかし、他人任せでは問題に気づくことができません。
一人一人が他人事と思わずに、当事者意識をもって大規模修繕にあたることが、満足のいく大規模修繕になり、結果的にトラブルから身を守ることになると思います。
大規模修繕工事が進行中でも、何かおかしいと思ったら声を上げること、そして、とにかくどこか信頼のおける機関に相談をしてみてください。
国土交通省が相談窓口を設置しています。

マンション大規模修繕の疑問や相談の専用窓口

◎公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
公式ウェブサイト
住まいるダイヤル 0570−016−100
施工費用の「見積チェックサービス」(無料)もあります。

◎公益財団法人 マンション管理センター
公式ウェブサイト
建物・設備の維持管理のご相談 03(3222)1519

3.誠実な設計コンサルタントを見つけることが大切

納得のいく大規模修繕工事にするには、不適切なマンション管理会社や施工会社が大規模修繕工事に関与できないようにしなくてはいけません。
第三者である設計コンサルタントに依頼するのは大変有効な手段ですが、依頼したのが「不適切コンサルタント」では意味がありません。素人ばかりだからコンサルタントを依頼したのに、その専門家が信用できないのであれば、どうしたらいいのか途方にくれるかもしれません。

不適切な設計コンサルタントに共通するのは、費用が格安であることです。しかし、実際は工事業者に高い工事費で請け負わせ、そこからリベ ートを受け取っています。費用が高いだけならまだしも、設計や工事監理を工事業者に任せきりにする場合が多く手抜き工事にもつながります。結果的に、マンションの資産価値を維持することも難しくなってしまいます。

それに対して、適切な工事監理を行う設計コンサルタントは一見費用が高めに見えますが、費用面、実務面を含むトータルで管理組合の負担を減らすことを目指しています。こうした誠実な設計コンサルタントを見つける努力が大切です。

設計コンサルタントには心から信頼できる相手をきちんと選ぶことが最重要だと思います。コンサルタントにはコミュニケーション能力や問題処理能力が不可欠で、それを見極めることも重要です。
大規模修繕の実績数が豊富であり、コンサルタントが管理組合の運営も理解している、理事会や管理会社の対応を見守り、あなたのマンションについて親身に考え、適切なアドバイスや解決策を提示してくれるコンサルタントを選ぶようにしましょう。



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